JIMI HENDRIX ジミヘンドリックス

AIRE > JIMI HENDRIX TOP > the Experience Feb 24,1969

the Experience Feb 24,1969

この日は有名なロイヤルアルバートホールでのコンサートが行われた日. すばらしいライブアルバムが残されている. でも,伝記によるとグループの状態は悪くショーの出来もよくなかったという. なんで?こんなにすごいのに.

それで,この伝説的な月曜日までにどんなことがあったのか資料を追ってみた. 大好きなアーティストのコンサートを待つような気持ちで読んでみてください. そして手元にジミのレコードやCDがあったら,この日のライブの順番で 演奏してみたら気分が出るよ.
第1期ソフト・マシーンのライブ盤なんかあるとますますベリグーだっ!

参考文献:
"JIMI HENDRIX: Sessions" Copyright(C) 1995 by John McDermott
"JIMI HENDRIX: A Visual Documentary" Copyright(C) 1992 Omnibus Press
"JIMI HENDRIX: ELECTRIC GYPSY" Copyright(C) by Harry Shapiro & Caesar Glebbeek, 1980, 1995





ロンドン 69年2月

1968年9月「エレクトリックレディランド」アメリカでリリース. イギリスは10月リリース.例のヌードジャケットが物議をかもす.
明けて1月は北欧とドイツのツアー.ホテルで暴れて手を怪我するなどしている.
いったんロンドンに戻り,打ち合わせのためニューヨークへ向かった.

3週間前

2月3日(月) ジミはニューヨークからロンドンに移動した.

2週間前

2月10日(月) ジミはレコードを買いにいったらしい.

2月11日(火) 「レコーディングセッション」によると,この日ジミはニューヨークに居たらしい. レコードプラントにてバディマイルス「エレクトリックチャーチ」のプロデュース. 深夜0時から4時までレコーディング. そっから5時半までラフミックス.夜型なんですね.
この日の曲目は「I Can See」後に「Destructive Love」と改題.

2月12日(水) なにも記録なし.多分,移動日ですね.

2月13日(木) ジミとキャシー・イーチンガムはメリー・ホプキンのアルバム「ポストカード」 発売記念パーティに出席した.

2月14日(金) ロンドンでディスク・アンド・ミュージック・エコー・アワードの表彰式に出席. ワールド・トップ・ミュージシャンを受賞した. オリンピック・スタジオでレコーディングセッション.
2月15日(土) オリンピック・スタジオでレコーディングセッション.
2月16日(日) オリンピック・スタジオでレコーディングセッション.

このころは連日「Room Full of Mirrors」にトライしていたらしい. アルバートホールでも演奏されているし,その後もライブでは重要なレパートリーだったようだ.
ただレコードとしては,結局,生前はリリースされず,1971年にRepriseからリリースされた「Rainbow Bridge」 で初めてスタジオバージョンを聞くことができた. 現在は,「First Rays of the New Rising Sun」に収録されている.
ノエルレディングの日記によると,この3日間は,ジミが来ないの,ミッチが来ないの,来たら来たで言い合いをしたのと, 全然実のないセッションだったらしい.スタジオ代がもったいないなぁ...(^^;

1週間前

2月17日(月) なにも記録なし.多分,休日ですね.ジミも雇われだったんだなぁ...
2月18日(火) ロイヤルアルバートホールでコンサート.

この日のチケットは発売後3時間で4500枚を完売した. 実は,24日のコンサートは追加公演として急遽組まれたもの.
半年ぶりのイギリス公演だったので,バンドは異例のリハーサルを行った. このころ3人は,ステージ以外ではいっしょに演奏していなかったようだ.
サポートはソフト・マシーン,デイブ・メイスン,ジム・キャパルディ,ウッド・アンド・フロッグ.

演奏した曲は...

1. タックス・フリー
2. ファイア
3. ゲッティング・マイ・ハート・バック・トゥギャザー・アゲイン *
4. フォクシー・レディ
5. レッド・ハウス
6. サンシャイン・オブ・ユア・ラブ
7. スパニッシュ・キャッスル・マジック
8. スター・スパングルド・バナー
9. パープル・ヘイズ
10. ブードゥー・チャイル

*「Getting My Heart Back Together Again」は「Hear My Train Comin'」と書かれていることもあります.
** 18日の演奏は「The Last Experience」のディスク3に収録されています. カメラは回ってなくても録音はしてたんですね.

コンサートの後,ブルックストリートにあるジミの自宅でインタビュー. アコースティックギターで「ハウンドドッグ」を弾く.

2月19日(水) ニューミュージカルエキスプレスのインタビューに答える.
2月20日(木) グラス・ミナージェリーとのセッションに参加する.チャス・チャンドラーのプロデュース.

2月21日(金) なにも記録なし
2月22日(土) オリンピック・スタジオでレコーディングセッション.
2月23日(日) スピークイージーでデイブ・メイソン,ジム・キャパルディとジャムセッション.

そして,2月24日 月曜日

午後ロイヤルアルバートホールでリハーサル.そしてコンサート.

サポートは,ファット・マットレス,ソフト・マシーン,ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイター.
ファット・マットレスはノエル・レディングを中心としたバンドで このショーがデビュー.

ジミはカラフルなシャツに黒いベスト,黒のスラックスに白いブーツ. 遠くから見るとゴム長に近い.デビュー当時より短めのカーリーヘアに バンダナ.エレクトリック教会の司祭か,サイケデリック農園のオヤジか.演奏した曲は...


1. ラヴァー・マン
2. ストーン・フリー
3. ゲッティング・マイ・ハート・バック・トゥギャザー・アゲイン *
4. 今日を生きられない
5. レッド・ハウス
6. フォクシーレディ
7. サンシャイン・オブ・ユア・ラブ
8. ブリーディング・ハート
9. ファイア
10. リトル・ウィング
11. ブードゥー・チャイル
12. 鏡の部屋
13. パープル・ヘイズ
14. ワイルド・シング
15. そしてアンプを叩こわした

*「Getting My Heart Back Together Again」は「Hear My Train Comin'」と書かれていることもあります.

「鏡の部屋」にはデイヴ・メイソン,クリス・ウッド,ロッキー・ディジョンが参加した.

リハーサルとコンサートは,ジョー・レビンにより撮影された.
演奏は,ハーフインチ,4トラックに収録された.エンジニアはグリン・ジョンズ.
ミックスが悪いという理由から映画はリリースされず.
写真もたくさん残っている. ジミがアンプに突進し裏方の人達が必死にそれを支えている写真がとてもいい. ほとんどスポーツ.

コンサート後,スピークイージーでジム・キャパルディ,デイヴ・メイソン,アラン・プライス とジャムセッション.

この日の演奏を聞く

Valleys of Neptune

Presented by amazon

最悪だったと評判(^^; のライブ前のリハーサルの録音が残っていて,なんとオフィシャルリリースされてました.
2月16日のセッションから,Sunshine Of Your Love, Lover Man, Crying Blue Rainの3曲.
2月17日(!!)のセッションから,Fire, Red Houseの2曲です.
多分15/16日の深夜っていう意味なんじゃないかな.なんだかんだ言っても,3人揃って気を入れて演奏すればこのくらいのレベルの演奏は出来てたのですね. (2011.6.17)

The Jimi Hendrix Experience (4CD)

Presented by amazon

2月17日(16日の深夜?)のセッションから「Spanish Castle Magic」「Hear My Train A Comin'」が収録されています。 (2011.6.17)

West Coast Seattle Boy

Presented by amazon

2月16日(15日の深夜?)のロッキー・ディジョンとのセッションから「Room Full Of Mirror」「Shame, Shame, Shame」が収録されています。 ノエルのベースと、ミッチのドラムは、1987年に追加で録音されたのだとか。 (2021.3.25)

ロイヤル・アルバート・ホール69

Presented by amazon

24日の演奏すべてと,サウンドチェックでの演奏が収録されているCD2枚組です. 以前からブートレッグで販売されていたものを,EXPERIENCE HENDRIXが追認する形で販売しているのだとか. 18日の演奏がどうしても聞きたい人以外にはこれでOKですね. (2010.1.6)

アルバート・ホール・エクスペリエンス

Presented by amazon

ビクターからリリースされている,正規国内盤です. とっても評判の悪い盤で(^^;,1曲目の「Lover Man」がカットされてます.あと「Stone Free」のドラムソロが カットされてるとか,数曲が他のコンサートの演奏という話もあり.自分で確認してなくてごめんなさい. そんなCDです. (2010.1.6)

Experience

Presented by amazon

Ember5057
1971年8月リリース
The Sunshine Of Your Love
Room Full Of Mirrors
Bleeding Heart
Smashing Of Amps

More Experience

Presented by amazon

Ember NR 5061
Little Wing
Voodoo Child(slight return)
Fire
Purple Haze
Wild Thing

ROYAL ALBERT HALL LONDON 1969

出回ってるロイヤル・アルバート・ホールのライヴ映像はコレクターズ・ビデオです. 何故か「Stone Free」が映像で出てないんですよね.いい演奏なんですが. あと「Little Wing」がロマンチックなイメージ映像(^^; で演奏場面がずいぶん減っちゃってます.いらんことをして.フィルムのトラブルかなんかがあるんですかね.
オフィシャル版が出るという話あり.期待しましょう! (2010.04.05)